【人との繋がりを持っていない漫画家が交流会でお客さんを見つける話】第六話
【人との繋がりを持っていない漫画家が交流会でお客さんを見つける話】第五話
名刺交換のポイント②相手に忘れられないようにする
交流会でいろんな人にビジネスアイデアを出して
頼られている先輩経営者は、
名刺交換の時に大事にしていることを教えてくれた。
「名刺交換の時、大事なのは相手に覚えてもらうことなんだよ。」
自分は目立った見た目でも、特別すごい実績があるわけでもない。
はっきりいって影が薄い方だと思う。
特徴のない自分のことをどうやって覚えてもらえばいいんだろう。
「いや、職種でいったらかなり珍しいと思うけどね」と
先輩はフォローしてくれたけど、
他にないってことは余計に覚えづらいんじゃないかな、
と不安になっていた。
先輩は、全員に覚えてもらう必要はないけど、と
前置きをして話し始めた。
「特に、君にとって重要な人が現れた時。
その人には絶対に忘れられちゃいけないんだ」
重要な人…?
どんな人が自分にとって重要な人なのかって、わかるもんなの?
どんな人が重要な人なのかを聞いてみると、
先輩はこれまでのことを振り返りながらため息をついた。
「交流会で直接のお客さんが見つかることってほぼないんだよ」
交流会に買いに来ている人はいない。
本当にそうで、何度も交流会に参加しているのに、
お客さんになってくれる人はいなかった。
でも、仕事に繋げるために行ってるのに、お客さんがいないのは困る。
絶望している自分に、先輩が慰めるように続けて言った。
「でも、お客さんに繋がるキーマンには出会えるんだ」
先輩は「スモールワールド現象」というものを教えてくれた。
会いたい人にはだいたい6人くらいの知り合いを介せば出会える、という
アメリカで行われた実験があるらしい。
会いたい人=お客さんと繋がるには、
きっかけになる中心人物=キーマンとの関係性を築くのが確実だと思う
と先輩は言った。
「キーマンも、稀にしか会えないんだけどね。
僕はいろんな交流会に行ったけど、本当に100人に会って1人いるかいないか…」
気が遠くなる確率だった。
100人程度との名刺交換で仕事に繋がらないと言っていた
自分の浅はかさに恥ずかしくなるくらいだった。
「キーマンに覚えてもらうには、
自分が重要な人物って認識してもらわないといけないと思うんだよね」
実績もない自分が、どうやって重要だと思わせられるのか。
難しいこと言うなぁと呆然としていると、先輩は軽い口調で続けた。
「実はそれって意外と簡単で、
キーマンの困り事を解決しますよって言ってあげればいだけのこと。
絶対、何があっても約束しますって。」
先輩は簡単に言ってのけるけど、
自分にできることって限られてるし、
絶対なんて言い切れないと思うんだけど…
まだ理解しきれていない自分を見た先輩は、
体験談を聞かせてくれた。
「僕の仕事はシステム開発だけど、
全然関係ないこと言われたりしたよ。
イベントの設営手伝ってとか、Webサイト作れる?とか。
まぁ別に自分にできないことならできる人に繋げばいいし。
とにかく何かしらでキーマンとの繋がりを持ってたいから、
本当に何でもやります状態だったよね」
先輩は、過去にやってきたことを振り返って笑っていた。
とにかく先輩は、自分から与えるという行動を
きっちりやり続けている人だ。
あんなに周りから頼りにされてる先輩も、
そうやって地道な努力をして今があるんだ…
自分はまだ全然きっちりできていない。
本当に先輩がやってきたことを自分もやってうまくいくかは分からないけど、
キーマンに出会った時は覚えてもらうために
何でもやります精神はやってみようかな。
まずはそのキーマンに出会うために、交流会も参加し続けようと思った。
つづく