【人との繋がりを持っていない漫画家が交流会でお客さんを見つける話】第八話
【人との繋がりを持っていない漫画家が交流会でお客さんを見つける話】第七話
覚えてもらうには「欲求」と「約束」!?
交流会で、自分ができることをたくさん言っても何も伝わらずに
「結局何をしてくれるの?」と言われてしまった。
先輩経営者からは、いろんなことを一気に伝えても
相手は受け取れないことを教わった。
じゃあ、何を伝えたら覚えてもらえるんだろう?
先輩経営者に相談すると、突然こんなことを聞いてきた。
「ASKUL(アスクル)って知ってる?」
「もちろん。オフィス用品の通販サイトですよね。
うちの職場でも使ってますよ」
「じゃあ、ASKULの社名の由来にもなったキャッチコピーは知ってる?
『1本の鉛筆を明日届ける』っていうの。これはすごいよ」
たしかにシンプルでわかりやすいコピーだと思うけど、
先輩がそこまで絶賛している理由はよくわかんなかった。
「このコピーって、
お客さんの欲求と解決することを約束してるんだよ。
必要な量のオフィス用品を必ず明日には届けるって。
それがこの一言で分かったら、この社名って絶対に忘れないよね」
先輩から「お客さんの欲求」と「約束」
…2つのキーワードをもらった。
絶対に忘れられないキャッチコピーが
自分にもあったらいいなと思った。
交流会から帰ってきて、
さっそく自分の「お客さんの欲求」と「約束」を考えることにした。
自分はずっと「まんがが描けます」と言っていた。
でもこれだけじゃ交流会参加者に刺さらなかった。
かといって「いろいろできます」と言っても
結局何の人なのかは覚えてもらえなかった。
じゃあ、交流会に参加する人は何を求めてるんだろう。
そういえば、前に交流会で全然売れないことを相談した時…
「みんな自分のものを売りに来てるけど、
買いたい人がいなかったら売れないよね」
といった先輩の言葉を思い出した。
ってことは、逆にいえば交流会に参加してる人は
みんな「売りたい」と思ってるんじゃないかな。
自分が持っている武器はまんがを描けること。
まんがは、説明だけよりも文字と絵と物語で
わかりやすく伝えることができるっていう強みがある。
この強みでお客さんの「売りたい」欲求を解決できないかな。
「絶対、何があっても約束しますって言い切る」と
先輩は言っていた。
絶対に約束できること…
少なくともまんがを作らせてもらったら、
お客さんが成功するようにと思って、絶対交流会でも紹介する。
これだけでも約束になるかな。
「漫画を使ってあなたを売りにいきます」
交流会参加者の欲求「売りたい」と、
自分の約束「漫画を作ってもらったら絶対に売りにいく」の
2つを合わせた自分のキャッチコピーができた。
いろいろ書いていた名刺をやめて、
作ったコピーを添えた名刺に変更した。
これで覚えてもらえるようになるかな。
ドキドキしながら次の交流会に参加申し込みをした。
つづく