【人との繋がりを持っていない漫画家が交流会でお客さんを見つける話】第九話


【人との繋がりを持っていない漫画家が交流会でお客さんを見つける話】第八話

まずは自分から役に立つ!

気付けばもう5回は異業種交流会(BMS)に参加している。
まだ仕事には繋がっていないけど、
先輩経営者のやり方を聞いて、交流会で何をしたらいいのか
わかってくるようになってきた。

今日は、先輩に聞いたことを全部素直にやってみよう。
意気込んで交流会に参加した。

まずは参加者の話を集中して聞く。

今までは、自分がお客さんを見つけることに必死になっていた。
だけど、まず考えなくちゃいけないのは「相手の欲求」。
目の前にいる人がどんなことを求めているのか、
それをちゃんと聞こうと思った。

交流会で同じグループになった人が、
一人一人仕事の紹介を始めた。

「飲食店従業員の業務の効率化のためのシステムを開発しています」

「閉店する小売店の不動産を買い取って、
新しくお店を始めたい人に販売しています」

しっかり聞いてみると、
参加者はみんな、何を目的にしたものを提供しているのかを
はっきり伝えていたことに気が付いた。
今までは自分のことばっかり考えてて、
ちゃんと他の人の話を聞いてなかったんだな。
これまでの自分が恥ずかしくなった。

集中すると、目の前の人がどんな仕事をしていて、
どんなお客さんを探しているのかを聞き取れるようになった。

参加者の一人が、お客さんを探していた。

「サロン経営者さんに自分の事業を紹介したいんですけど、
知り合いにいませんか?」

何かこの人の役に立てないか。
頭をぐるぐると巡らせて、整理した名刺の情報を思い出した。

そういえば前に、
個人経営者向けのコーチングをやっているって人と交流会で知り合ったな。

あっ、もしかしたらこの人なら
サロン経営者さんもお客さんにいるんじゃないかな。

点と点が結び付くイメージが浮かんだ。

「個人経営者さん向けのサービスを提供している人を知ってます。
紹介しますね!」

初めて具体的な紹介を出すことができた。

後日、相手から連絡がきた。

「この間ご紹介いただいた方と繋がりたいんですが、
お相手の連絡先を教えていただけませんか?」

さっそく、自分が間を取り持って2人を繋いだ。
2人はどんどん話が進んでいるようだった。
うまくビジネスに繋がればいいなと心から願った。

自分の仕事を売るのに必死だったのに、
いつの間にか自分の仕事に直接関係なくても、
繋いだ2人がうまくいったら
素直にめちゃくちゃ嬉しいと思うようになっていた。

ようやく先輩が「与えあう交流会が良い」って
言っていたことを身をもって感じることができた。
自分は「天国と地獄の箸の話」の中の、
天国側の住人になれたのかもしれない。

自分が紹介を出せたことはひとつの達成感としてあった。
気づいた時にはもう交流会が苦痛だとは思わなくなっていた。
むしろこんな風に繋げるのなら、
もっとたくさんの人と知り合って、繋げてみたいとワクワクしていた。

つづく

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Posted by まめ